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情熱、ビジョン、そして企業

Ideal Workは、コンクリート職人であるマウリツィオ・ポンテーロ氏が、コンクリートが美的に魅力的で多目的な建築製品になる可能性を見出したことから始まりました。

マウリツィオが職人として働いていた1980年代から90年代にかけて、利用できる装飾的なコンクリートの選択肢は限られており、イタリア市場では魅力に欠けるものと見なされていました。大理石やタイルが優れているとされ、その代用品として好まれていたのです。

しかし、マウリツィオは、装飾コンクリートは、職人から切り離された孤立した生産施設ではなく、職人との共同作業で生産・作成されれば、ユニークで美しい素材になると考えていました。

マウリツィオはこう説明します。

「私がアプリケーターだった頃、サプライヤーには単なる販売員ではなく、『営業マン』であってほしいと願っていました。理想的なのは、私のニーズを理解し、パートナーとなってくれるサプライヤーです。現場を訪れ、アイデアや提案を交換し合う、そんなサプライヤーを思い描いていました。サプライヤーがより良い製品を作るのを手伝えば、私のスキルアップにも役立つと思ったのです。私たちは、理想的な供給パートナーになるために、Ideal Workを構築しました。」

このようなビジョンを持って、Ideal Workはイタリア市場に登場しました。

1997年、マウリツィオはルカ・セミナティと才能を発揮しました。ルカは進取の気性に富んだ若者で、装飾コンクリートの可能性を伝える才能に長けていました。マウリツィオは、製品の処方や開発に携わるとともに、ルカに技術的な知識を授けました。一方、ルカは、会社を単なる販売員ではないサプライヤーに育て上げることに力を注ぎました。

マウリツィオとルカは、コンクリート職人の仲間である装飾用コンクリートの製造・供給業者であることを基盤に、Ideal Workを設立しました。Ideal Workの職人たちのアイデアや提案は、新しいコンクリート処方の開発や幅広い製品ラインアップを生み出すきっかけとなりました。同時に、アプリケーターに質の高い技術サポートを提供しました。

実際、設立から数か月で、アプリケーターを対象とした最初のトレーニングコースを開催しました。トレーニングコースとトレーニングコース後のサポートは、常にIdeal Workの成功の中心をなしています。

Ideal Workの膨大な製品群と職人の技術により、化粧コンクリートが比類のない柔軟性と美しさを持ち、その用途と応用において実用的であることが、イタリア市場のみならず、世界中の人々に証明されました。数十年にわたり、Ideal Workは80か国以上の何千もの現場を訪れ、装飾的表面処理におけるヨーロッパのリーダー的存在となりました。

Ideal Workサーフェスを採用した卓越した建築プロジェクトには、プラダ財団(ミラノ)、UCCA砂丘美術館(北京)、メスナー山博物館(イタリア・ボルツァーノ)、カナールアパートメント(アントワープ)、サイロアパート(コペンハーゲン)、Founder’s Office(アブダビ)、Eataly(ミラノ、クウェート、ロンドン)、Adidasショップ、ジョーアリリゾート(モルジブ)、カザンパレスホテル(ロシア)、NikeおよびAdidasショップがあります。

2020年10月、Ideal Workは、世界55カ国に20,500人以上の従業員を擁するフランスのグループ企業、アルケマ傘下のBostikに買収されました。Bostikの一員となることで、製品の研究開発を次のレベルに進めるためのリソースとサポートが提供されます。また、熟練した職人たちのより広いコミュニティが一体となります。

Ideal Workは、職人を念頭に置いて始まり、世界中の職人にソリューション、インスピレーション、スキル、そして声を提供することに誇りを持ち続けています。職人が建築家、デザイナー、クライアントのビジョンを実現する内外の装飾仕上げを行えるようにする、という継続的な目的に全力を注いでいます。